2025年5月、SFTSに感染した猫を診察した獣医師がSFTSに感染し、
その数日後に死亡したという衝撃的なニュースの報道がありました。
SFTSは日本国内において、2013年に人で初めて報告された新興感染症です。
猫でも2017年に確定診断され、2019年以降、年間100頭以上の報告があります。
SFTSは主にマダニが媒介するウイルス性感染症であり、マダニに噛まれることで感染しますが、
感染した動物(犬・猫を含む多くの哺乳動物が感染する)や患者の血液・体液との接触でも感染する可能性があると言われ、
家庭内での感染にも注意が必要です。
人では発熱と消化器症状(嘔吐、腹痛、下痢、下血等)を主徴とし、時に神経症状や出血といった症状を示し、
致命率は10-30%程度とされています。
犬や猫でも発熱や食欲不振、嘔吐や下痢といった消化器症状が見られ、
特に猫では致命率が60-70%程度と非常に高くなっており注意が必要です。
猫は室内で飼育する、マダニの駆除薬を使用するといった基本的な対策はもちろん、
同居動物の体調不良があればすぐに動物病院へ連れて行くことが重要です。
コロナ禍以降、当院では感染症への対応を引き続き行っております。
来院される飼い主様へもマスク着用、手指消毒、院内待合でお待ち頂ける飼い主様の人数を制限するなどの対応をお願いしております。
皆様のご理解とご協力を賜ります様、よろしくお願い致します。